澎湖島への留学の楽しみ・美味しいイカ団子

  澎湖島では色々なイカが取れます。小管(シャオグアン)と言っていますが、まちがいなくスルメイカです。ホタルイカくらいの小さなものまで取ってしまっているので、資源の枯渇がしんぱいです。しかしこの小さな小管は特別美味く、ホタルイカ以上であると思います。しかし特別小さいものが美味しいのです。資源の枯渇を心配しながら食べる美味しい小管に心が千々に乱れます。

 そのほか剣先イカも取れます。ヤリイカもいます。透明の生きているのが水揚げされて売られています。そしてかなり大きなモンゴウイカも捕れます。こちらではあまり刺身では食べていないようで、イカ団子に加工されます。

 イカの肉を細かく切って、少しの小麦粉がつなぎとして用いられ、丸めたものが油で揚げられます。ぷりぷりしたいかそのもの口当たりと、モンゴウイカのおいしさがミックスしてそれはもう絶品です。

 ある商社が買い付けに来ていますが、輸出入となるとなかなか面倒で、こちらに食べに来て頂くより他ありません。実はこのイカ団子を買い付けに来た商社から依頼を受けて代理人として働いたことがあります。日本の保健所の許可を取るべく製造工程を調べて、それを簡単なチャートに記して、輸入許可もおりたのです。そして商社の面々が澎湖島にやってきて、そのイカ団子屋の社長と交渉すると言う所まで来ました。ところがアポなしの訪問だった為に、社長も時間が取れずに、やむなく自分の経営するレストランに私たちを連れてきて、どこかに行ってしまいました。交渉相手を失った面々は、それでは料理を食べようと言うことになり、好きなものを注文して、さんざ食べ尽くしました。そしてお金を払おうとしたら、もう既に社長が払ってあると言うことでした。商社の方たちも奢って貰う気などさらさら無かったのでちょっととまどっていましたが、何れ取引先になるとでも思ったのか気軽にその主のいない招待を受けました。ところがです。結局輸入は見送られました。澎湖島と日本には定期航路がない為に、商品を送るにはものすごいロットが必要なことが分かったからでした。それで終わりでしたが、それ以来、私はこのイカ団子の製造元のところを隠れるようにして通り過ぎています。結局は取引するぞと言いながら奢らせた詐欺師のような後ろめたさがそうさせるのです。


阿甘語言中文科のサイトはこちら↓です。