澎湖島名物・ハリセンボンの刺身

  ハリセンボンというフグを見たことがあるかも知れません。海辺の観光地では、ハリセンボンが提灯に加工されて、そのユーモラスな姿をさらしています。

  沖縄や西表島などでは、ハリセンボンの皮を剥いて、その身を味噌汁仕立てにしたアバサー汁というのが有名で美味しいらしいです。

  少し前ですが、テレビでこのハリセンボンが、大量に網にかかって漁が出来ないことが報道されていましたので、ご覧になったかも知れません。その時にコメントされていたのは、この魚には商品価値がないので、すべて廃棄処分されるというものでした。それを聞いて澎湖島とは随分違うなぁと思いました。

  というのは、ここではハリセンボンはかなり高級魚に属するからです。沖縄のように身だけでなく、その皮が食用として普通に(高いのでごちそうです)食べられているからです。

  皮を剥がして、トゲを抜き軽く茹でたものをわさび醤油で頂きます。5ミリ位の厚みがあり、こりこりしてなかなかの珍味です。

  何故日本では見向きもされないのでしょうか?それは皮からトゲを抜くのが容易ではないからです。ある日、友人が釣り上げたハリセンボンを、みんなで食べようと言うので皮を剥きました。ここまでは造作ないことでしたが、トゲが抜けません。なんとしても抜けません。それどころかあちこちトゲで刺されて諦めざるをえませんでした。

  漁民がどうしているのか見てみましたら、生のを抜いているのではなく軽く湯通しをしてタンパク質を変化させて、それをトゲ抜きの専門の簡単な道具で抜いていました。どうしてこの方法が日本でも考え出されなかったのか不思議でなりません。

  ハリセンボンは、この強力な鎧で身を覆っているので人を恐れません。かなりの図体で目立ちますが、逃げません。攻撃はしてきませんが、こちらとしても良いことは一つもないので、こっちが逃げます。この次はヤスかタモを持って泳ごうと思います。そしてもう一度とげ抜きに挑戦です。

  澎湖島に来たら、ハリセンボンのフグの皮を、いけすが店の前にある海鮮料理の店で食べて下さいね。毒がないのでふぐの中毒の心配はありません。
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